2006年6月11日
『鳴り響く性〜日本のポピュラー音楽とジェンダー』北川純子編(勁草書房)1999年

読む音楽です。
・『鳴り響く性〜日本のポピュラー音楽とジェンダー』北川純子編(勁草書房)1999年
日本ほど“性”の乱れた国はないと思う。
例えば、増位山太志郎「そんな女のひとりごと」。
この曲を歌謡曲に興味をもった外国人が聞いたとする。
日本の伝統的な国技である相撲レスラーが、ジェンダーをチェンジして女言葉で、それも、夜間飲酒接待業界に働く女性の心を切々と歌い上げる。
ゲイだというのでもなさそうだし、その倒錯的な世界をお茶の間でも容認し、カラオケでも歌われる。これはかなり不可思議な世界に映ると思う。
これがノヴェルティで、笑いを誘うものならば、まだ理解出来るだろうが、聞く方も歌う方も違和感なく、その光景を認知する。外国人の方は、さすがオリエンタル・マジック、日本の文化はファンタスティックだ、と驚嘆されるだろう。
男性が男装のまま、女性の心情を歌うという、特異なスタイルはどこから生まれてきたんだろうか?
その源流は、歌舞伎の女形のまで行き着くのか。
といった考察のヒントになるのが、『鳴り響く性』収録の、中河伸俊氏による「転身歌唱の近代〜流行歌のクロス=ジェンダード・パフォーマンスを考える」だ。
このテーマはなかなか深く、自分なりにももう少し論考を重ねてみたいところ。こんな目眩く世界が展開されるのも、歌謡曲の魔力だったりする。
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投稿者 小川真一(editor-in-chief) : 18:48 | コメント (0) | トラックバック (0)
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