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40代からのロック再発見

【祝】グレアム・パーカー 国内再発!
by 白谷員朗

祝Graham Parker & The Rumour 国内再発!、、、と思ったら限定紙ジャケBOXですかー。いやはや仕方ないですが、おいそれと初心者が手を出せる値段じゃないのがナントモなー。

VERTIGO YEARSしかしこの時期の作品の国内盤CDは『Stick To Me』が一度廉価盤で発売されたことがあるだけ(しかもその時は対訳はおろか歌詞すら掲載されていなかった)でしたので、この国内発売を機会に少しでも興味を持ってくれる人が増えてくれれば嬉しいのですが。バックにThe Rumourを率いたこの時期の作品こそ間違いなくGraham Parkerの代表作となるアルバムであるし、パブ・ロックの流れで語られることが多いですが、そうした枠に閉じ込めてしまうには勿体無い全ロック・ファン必聴の名作アルバムばかりです。

今回のBOXは「VERTIGO YEARS」と題されているように同レーベルから発表された5枚のアルバムにRumour単独のアルバム『Max』を加えた6枚組。ボーナス・トラックの曲目から見て01年に英マーキュリーからリマスター再発された時のマスターが元のようですね。Rumourの『Max』は英Hux(国内ではMSIが独自の紙ジャケ仕様で発売)から昨年再発されたボーナス・トラックに準じていますが、その海外盤ではリマスタリングに不満の残る出来だったので日本盤では解消されることが望まれるところですが、、、さて。

Boxの目玉となるのが4作目にして初のオフィシャル・ライヴ盤『The Parkerilla』でしょう。なぜかこのアルバムだけ英リマスター再発から洩れていて、その昔米マーキュリーからCD発売されて以来廃盤になって久しい状態でした。ホーン・セクションを率いてノリにノッていた時期のライヴを収録しているので悪い訳がありません。元Brinsley SchwatzとDucks Deluxeのメンバーによる的確で味のあるギターやオルガンに、若手によるタイトなリズム隊、そして何よりもソウルをぶちまけるParkerのヴォーカル。オリジナルは2枚組の3面までがライヴで4面には「Don't Ask Me Questions」のニュー・ヴァージョンを12インチ仕様で収録という変則盤でした。このアルバム発売直後に初来日。当時ファンは勿論、多くのミュージシャンが彼らのライヴを見て衝撃を受けたという逸話も数多く残っています(個人的にはParkerが92年に二度目の来日を果たした際にオープニング・アクトを勤め共演も果たした花田裕之氏がMCで語っていた当時の衝撃を伝える談話も忘れられません)。

Graham Parkerのライヴ盤といえばデビュー当時プロモ・オンリーで製作された『Live at Marble Arch』という作品も有名です。レア盤の一枚でしたが01年のリマスター再発の際にデモを収録したディスクとの2枚組CD『That's When You Know』としてCD化されています(最近見かけなくなっていますので気になる人はお早めに)。こうした音源を紙ジャケ再現してボーナス・ディスクとして付ける(またバラで発売しても全作購入者へのプレゼントにする)といった特典があったりすると購入者も増えると思うのですが、メーカーさんいかがでしょうか。


あとヴァーティゴ期の作品の再発で特筆すべきなのは米アリスタから再発されている5作目の『Squeezing Out Sparks』。米でのレーベルへの不満を「Mercury Poisoning」なとど歌ってしまったからか、この作品から米のみアリスタからの発売になったのですが、会社はプロモーション用としてアルバムを全曲演奏したライヴ盤「Live Sparks」を製作しています。現在米で発売されているCDにはこの音源が全曲追加収録されておりますので要チェック。96年発売のCDですがまだ容易に手に入るはずですので紙ジャケBox購入者も持っていて損はありませんですぜ。

さて最後にヴァーティゴ期以降の作品の最近の再発事情を簡単に。

ルーモアとの最後の作となるStiffからの『Up Escalator』(80)は英Lemonから再発。ボーナス2曲に加え1曲映像も収録。Bob Andrewsが抜けて後任になんとNicky Hopkinsが参加。この時期のライヴ映像もDVD『Rockpalast』で初期のいぶし銀の映像と共に見ることが出来ます。

次作RCAからの『Another Grey Area』(82)は米AMERICAN BEATから再発。オリジナルのカセットにはそこでしか聴けない「Habit Worth Forming」が収録されていましたが、リイシューCDにはなぜか「Marcury Poisoning」が収録されるにとどまっています。この時期のライヴは当時ビデオ発売もされていて(未DVD化)Carlos Alomerを含むメンバーで洗練されたロックンロールを聴かせてくれました。

じっくり聴かす『The Real Macaw』(83)は英Lemonと米AMERICAN BEATの2社から再発。「(Too Late) The Smart Bomb」の12インチ・バージョンなど、ボーナス・トラックが多い前者がお勧めか。

英米共にエレクトラに移籍しての『Steady Nerves』(85)はBrinsley Schwarzをメンバーに含む新バンドShotを率いての心機一転アルバム。ダブル7インチ・シングルのみの曲「Too Much Time To Think」が昔同レーベルからCD化された際には収録されていましたが、現在米Wounded Birdから再発されているCDには未収録。むむむ。

しかーし、シングルのB面曲や12インチ用テイク、上記ボーナス・トラックやその他レア曲をまとめた優れものコンピが英Lemonから発売されていまして、それが『Official Art Vandelay Tapes』のvol.1、2と『同Live One』。前二枚はブートレグ2枚組CD『Art Vandelay Tapes』を基に選曲したもの。ブート版に収録の曲のうち、トリビュート・アルバムなどの収録曲、TV・ラジオ・ショーでのライヴ音源などは権利関係でオミットされていますが、新たなレア・トラックも追加されていて充実のコンピになっています。また後者も『Blue Highway』として有名な88年のライヴ・ブートを正規盤化したものです。


その後88年に米RCAと契約しての4枚のアルバムは第2の黄金期とも言える充実した作品ですのでファンならずとも必聴の作品群です。中でも彼自身「最も好きなアルバム」という91年作『Struck By Lightning』は英Lemonからリイシュー済。元RumourのAndrew BodnerとThe AttractionsのPete Thomasのリズム隊をベースにJohn SebastianやGarth Hudsonの参加もあり豊潤なフォーク・ロックを聴かせます。当時英Demonから発売されたLPはボーナス・ディスク付。ここでしか聴けない3曲は現在上記『Vandelay Tapes」に収録されています。

これ以降の作品も既に廃盤になったものもありますが、まだ入手もし易いはず。またBBC録音などの発掘音源も数多く発売されています。しかし何よりも彼自身が今だ現役バリバリで新作『ドント・テル・コロンバス』も発売されたばかり(久しぶりの国内配給もVIVID SOUNDより発売)。今回の紙ジャケBoxで彼の声に惚れた方は是非現在進行形の姿も注目して欲しいものです。


ドント・テル・コロンバス
Graham Parker
価格:2,520円




<追記>
Graham Parkerの紙ジャケBOXですが、8/10現在、なんと【発売延期】になってしまったようで、、、。
なんとも残念な話ですが、早期に発売の見通しが立つことを願いますね。因みにスタジオ・アルバム4作は輸入盤で現在も入手可能です。


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