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40代からのロック再発見

ロイ・ウッド周辺の再発を考えてみた
by 白谷員朗

今年に入ってリマスターシリーズも完結、日本ではこだわりまくった紙ジャケ仕様でリイシューもされたElectric Light Orchestra(ELO)ですが、当初ジェフ・リンと双頭でELOを立ち上げたロイ・ウッドや関連作品のリイシューも今年に入って進んでいます。

Super Active Wizzoつい先日リイシューされたのが、Royのワーナーにおける2作品、Roy Wood Wizzo Band名義による「Super Active Wizzo」とソロ名義の「On The Road Agein」。過去のセールス不振や権利関係でリイシューの見通しが無くCD化もされてなかった作品なので待望の再発である。リイシュー元の米Wounded Birdは以前One Way Recordsを運営していたメンバーによる会社で、アルバムのストレート・リイシューを基本としていることもあって今回のRoyの再発もボーナス・トラックの類は無くライナーやリマスター表記すらないのが残念だが、聴きたくても聴けない状態に終止符が打たれた意義は大いにあるでしょう。(国内盤はクリンクが配給)

Wizzo Bandの「Super Active Wizzo」はWizzardが消滅する過程で録音されていた音源「Main Street」(発掘リイシューされています)の流れを汲む作品。WizzardのシングルB面でも覗かせていたジャズ〜ラウンジ的要素をより前面に出した更なるビッグ・バンドで、録音もスタジオで練りこまれたWizzardとは異なり、よりライヴの感覚に溢れたものになっています。ジャケットの勇姿(?)の如く彼の作品中、最もポップ・フィールド(シーンのメインストリーム)からは離れている作品ですが、聴き込むと紛れもなくRoyらしさ全開のアルバムです。クセになります。

On The Road Againそしてソロとしては3作目に当たる「On The Road Again」はWizzo Bandに続く作品で、実際にWizzo Band名義で発売されたシングル曲も含まれています。前ソロ2作がワンマン・レコーディングであったに対してWizzo Bandのメンバーを中心に多彩なゲストも招いての録音。また以前に見られなかったようなコンテンポラリーなアレンジが目(耳)を引きます。しかし彼のポップ・センスはここでも健在で、よりバラエティに富んだポップ・ソングを聴かせてくれます。ゲストは盟友Carl WayneやAndy Fairweather-Low、RenaissanceのAnnie Haslamに加え、なんといってもLed ZeppelinのJohn Bohnamが独特のドラムを聴かせてくれます。

英Sanctuaryからは昨年EMI編集のベストと共に発売予定であったものの、直前で計画が流れたままになっていたベスト盤「Look Thru' THe Eyes Of Roy Wood & Wizzard」も遂にリリースされました。Jet Record〜ワーナー初期における編集盤で、散々安易なリイシューがされてきた時期の音源ですが、今回はリマスターされ未発表音源も収録されるなど見逃せません。なぜか前記「Main Street」に未収だった音源や、なんといっても全貌が見えなかった彼らのライヴ音源が一部とはいえ聴けるのが嬉しい。昨年発売された今作と対になるEMI期のベスト「Wizzard!」も70年代のヒットシングルに加え、80年代の単発シングルやCarl Wayneに提供した曲の自演バージョンも収録されていてこちらもファンなら外せません。


日本では7/25に紙ジャケ発売されるWizzardのファースト・アルバム「Wizzard Brew」ですが、こちらは昨年英EMIからリイシュー済(日本盤の音源もそのマスターを使用)。当初は未発表曲・テイク満載の2枚組とアナウンスされていましたが、直前でRoyの気が変わったらしくアルバムにシングル曲を追加した形でのリリースにとどまりました。しかし、シングルでは自己流ウォール・オブ・サウンドで煌びやかなポップ・ソングを放つ一方で、アルバムではビッグ・バンド・スタイルのロックンロールをやりたい放題。そうした2面性の楽しめる仕様になっています。

Idle Race同時にIdle Raceも紙ジャケで発売されます。紙ジャケ化される2枚はJeff Lynne在籍時のアルバムのストレート・リイシュー。シングル曲くらい追加して欲しかったところですが、オリジナル・アルバムの形でのリイシューは世界初。パロディ精神に溢れたファーストの見開き写真を見て楽しむのも一興です。イギリスでは廃盤になって久しくプレミアも付いていた全曲集「Back To The Story」が再発されました。こちらはJeff Lynne期の2枚のアルバムに加え、シングル曲やAlternateテイク、更にはJeff脱退後のシングルとアルバム「Time Is」まで収録のお徳盤。ただ残念ながら旧盤には収録されていた前身バンドNightriders名義のシングル2曲がオミットされてしまっています。

関連作になりますと、少し前の発売になりますが元Moveのリード・ボーカリストCarl Wayneの「Songs from the Wood and Beyond」はタイトル通りRoyの提供した曲を中心としたコンビレーション。初出音源を含め曲提供に収まらずレコーディングにもRoyが深く関わっていたりもしていて見逃せません。勿論Carlのボーカルもオリジナリティを持ったもので老舗ブリティツシュ・ビート・バンドHolliesへの参加も納得でしたが、残念ながら05年に亡くなってしまいました。またマニアックなところではELOのバイオリン奏者であるMik KaminskiがELO在籍時に作ったサイド・プロジェクトでClog Danceのヒットも放ったViolinskiの未発表音源を含むベスト盤も発売になったばかりです。Jeff以外のメンバーのソロとなるとなかなか聴く機会が少ない人も多いでしょうが「ELOの音」の成分を形作ったセンスはファンなら理屈抜きに楽しめるものです。


さて長くなりましたが今後も注目の再発予定があります。

まずはなんといってもRoy Woodのファースト・ソロ・アルバム「Boulders」の待望の再発でしょう。Move在籍時から製作が進められていて、ほぼ全ての楽器を自身の手でプレイしたワン・マン・レコーディング・アルバム。アルバムの特徴としてはアコースティックな音を基本に作られており、作曲面でも彼のスコテッシュ・トラディショナル・ルーツが前面に出たポップ・ソング集に仕上がっています。彼の最高傑作と推す人が多いのも納得の名盤です。

そしてMoveの初期2枚「Move」と「Shazam」もリマスター再発になります。これまでも何度もリイシューされてきておりますが、今回は最良のマスターを使用したメンバーの初の公認の再発となります。特にファーストは2枚組で予定されており、更なる未発表音源も聴けるとのことです。大いに期待したいところです。



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