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40代からのロック再発見

アル・ク−パー『ス−パー・セッション』(1968年)<その1>
by 小川真一

さて、ロックの名盤として必ず名前が出てくるのが、68年の『ス−パー・セッション』。その名のとおりに“ス−パー・セッション”の先駆けとなってアルバムであり、後期のゴールデン・カップスなど黎明期の日本のロックにも大きな影響を与えた作品。

一番の功績は、ジャズのジャム・セッションのような手法をロックに持ち込んだこと。今からみると大したことでもないじゃんと思われるかもしれないけれど、当時(60年代末期)の感覚でいうとよくワカらんけど、ムツかしいことやってるみたいでなんかスゴそうと感激したものであります。この「ジャム・セッション」「ジャズ」という言葉に過敏に反応してしまうのが、ロック野郎のジャズ・コンプレックスだったりするんだけど、それに加えてアドリブで弾いているの言葉に、ダメ押しのようにノックアウトしまったのであります(笑)。

さて、原点に立ち返って、このアルバムが、
 本当に“ス−パー・セッション”だったのか?
という根元的な疑問(?)について検証してみたいと思うのであります。

中心になったのは、アル・ク−パーを中心に、マイク・ブルームフィールド、ステファン(スティーヴ)・スティルスの三人。

アルバム制作までの経緯を整理してみると、アル・ク−パーはブラス・ロック/ニュー・ロックの名門バンド、ブラッド・スエット&ティアーズを離れて浪人中。ポール・バターフィールドのブルース・バンドでギタリストとしての名前をあげてマイク・ブルームフィールドは、このバンドを脱退後にエレクトリック・フラッグを結成。自らがバリー・ゴールドバーグやニック・グレイヴナイツを誘って作ったこのエレクトリック・フラッグも、ファースト・アルバムを録音した後に抜けてしまい、そのまま放浪の徒に。スティーヴ・スティルスはというと、ニール・ヤングやリッチー・フューレイと組んでいたバッファロー・スプリングフィールドが空中分解となったばかり。

つまり・・・
 無職でヒマをもてあました連中が集まったんじゃねぇの?
なんて疑惑が(笑)。

と同時に、クーパー、ブルームフィールド、スティルスの3人はそれぞれ、それなりのバンドを経由しているものの、ソロ・アーティストとしてバリバリの“スーパー・スター”だったのかと言われると、若干の疑問符が点滅したりするのであります。

といった事情を考えてみると、このアルバムはスーパー・スターが集まったセッションではなく、本当は、
 スーパー・スターになりたいセッション
だったんじゃないんでしょうか。

いや本当に、この『ス−パー・セッション』の発表を契機に、それぞれの名前がグンと広まった。このあたりのプロダクトの組み立て方の上手さは、さすがアル・クーパー。つまりクーパーは“ス−パー・セッション”というミュージシャン再生のビジネス・モデルを作り上げたと言えるのであります。

といったワケで、弟一回目からスゴいことになってきましたが(笑)、アルバム『ス−パー・セッション』の中身については、次号に続きます。
(小川真一)

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